11月27日(土 1 2

千葉県の佐倉市にある臼井幼稚園で、今月のFOB研修会がありました。
今月の研修は「表現作りの基礎」と「描画」です。
特に「表現をどのように作っていくか」の基本的なところを再確認してきました。
第一に「音楽」をしっかり子ども達に感じさせること。第二に「表現」を引き出すこと。
第三に「セリフ」を必要なら入れること。表現で伝えることができれば、あえてセリフは必要ではない。場面構成的に必要な場合を除いてですが。第四に、「位置関係」です。
この順番を無視して、子ども達におろしていくと、大変遠回りに無駄な事をして、子どもが混乱します。参加された先生方は、この意味をかなり理解されたようです。
最後に、持ち寄った描画作品を並べて、 「描画研修」を行いました。
描画研修では、 この テーマ設定の選び方は妥当か、どんな導入がいいのか、描いているときに、こどもへの働き方はどういった方法がいいのか、 扱う紙の色、絵の具の濃度はどうか、順次性、用具の与え方・・・などを、実際に行った先生からの報告も聞きながら研鑽を深めました。
他園のこども達の絵を見ながらの、研修のため、参加した先生も「あんな絵を子ども達に描かせたい」と思ったようです。また「このテーマは、すこし”想”が広すぎて具体性が弱く、絵になりにくい」など、さまざまな問題提起も勉強出来て、今後の子ども達に絵を描いてもらうためのいい研修になったようです。
先生が、子ども達の可能性をどれだけ引き出してあげられるかを、心から願い、子どもの発達にあった方法を確立できればこそ、こども達も楽しく描画に取り組むことが出来ると思います。
むろん、先生が、子ども達に無理やりやらせるような絵の方法は、こどもにとって苦痛でしかありません。「こんなことも、あんなこともできます」という評価ばかりを全面にだして、指導する保育からは、こども達の個性ある作品は、あまり出ないような気が、この研修に参加して感じたことです。他園さんの描画は、本当に個性的な絵が多かったのです。

臼井幼稚園さんの大きな会場で、
「アンゼルセン」の表現作りを行います。
貧しい家に生まれたアンゼルセン、靴を売って生活をしています。
左上は、夜遅くまで靴を作っている働き者のお父さん。
音楽に合わせて、靴をトントン、トンカチで打ち付けています。
仕上がった靴を、アンゼルセンは、街に売りに行きます。
真中上、右上は、街の人(裕福な人)に靴を見てもらい、
「買って下さい!」とお願いしますが、
「こんなものは?」を誰にも買ってもらえず、突き返されてしまうところです。
音楽を最初に流し、この音楽で、どこで、登場するか、靴を見てもらうか、靴を返されるか、
音楽を感じながら、合わせていきます。音楽とぴったりとあった後に、感情表現や表情を入れると
実にリアルに、その場面が見えてきます。
やがて、過労で亡くなってしまう父、泣き崩れるアンゼルセン、
父は、貯めたお金で「自分の夢をあきらめるな」と言い残します。
「挿入歌」
表現がだんだんと深く入っていくと、会場の雰囲気も変化して行きます。
上は、「少女パレアナ」です。お花畑で楽しそうに踊っています。
音楽がしっかり入ってくると演じやすくなってきます。
音楽がどう表現に結びつき、表現を引き出していくかを、 参加された先生は、実感したことでしょう。

各園から、2学期に描いた描画を並べて、批評して頂いています。真中と右上は、「クモの巣」です。
お腹が一部黄色くなっているクモです。最初に、クモの巣を発見したため、そこから最初に描き始めたそうです。

左上は、大きな波に揺れている船が沢山描かれていました。中上はキリン。みどり色の物は、木々です。
熱心に参加者はメモを取っています。
上の写真は、年少の「パトカー」だそうです。
パトカーは、白と黒が基本、そこにサイレンの赤灯があります。
この時期、に年少の絵の具を使った描画で、形がしっかり描かれているのにも驚きました。

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